【第2回】部活動の地域展開シリーズ(全4回)

地域のクラブなら何でもいい、わけじゃない。今年度から始まった「認定」という仕組み

会社として少し思うところがあって、しばらく部活動の地域展開について調べていた。実際に地域クラブの運営に携わっている知人から話を聞いたり、国のガイドラインや調査資料を読み込んだりしているうちに、いくつか興味深いことがわかってきた。一度に書くと長くなりすぎるので、何回かに分けて書いてみようと思う。
(全4回・今回は第2回)

前回、休日の部活動の地域展開はまだ2割に届いていない、という話を書いた。

今回は、ガイドラインの中で僕がいちばん「新しい」と感じた部分。地域クラブ活動の認定制度について。

そもそも、なぜ認定が要るのか

地域のクラブ、とひとくちに言っても中身はいろいろある。とにかく勝ちたいチームもあるし、月謝制のスクールもある。それ自体は何も悪くない。ただ、部活動の代わりとして考えると話が少し変わってくる。

部活動には、上手い子も苦手な子も、希望すれば誰でも入れるという前提があった。その前提を受け継いでいる活動なのかどうか。そこを見分けて質を担保するために、国が要件を示し、市区町村が地域クラブを認定する。認定されたものは「認定地域クラブ活動」と呼ばれる。

7つの要件のうち、引っかかったところ

要件は7つある。全部並べると役所の資料みたいになってしまうので、読んでいて手が止まったところを中心に書いておく。

まず、選抜をしないこと。参加を希望する生徒は広く受け入れる。競技力強化のために広い範囲から生徒を集めることは認められていない。ここで、いわゆる強豪クラブとははっきり線が引かれている。

活動時間は、平日が1日2時間程度、休日が1日3時間程度、週11時間程度まで。休養日は週2日以上。年間と月ごとの活動計画を公表することも求められる。

指導体制はかなり踏み込んでいる。暴力・暴言・ハラスメントなどの防止を徹底すること、その中に日本版DBSの活用まで含まれている。指導するのは市区町村の研修を受けて登録された人で、原則として複数の指導者が関わる。大人一人と子どもたちだけ、という閉じた場をつくらないためだと思う。

残りは、できるだけ安い参加費、事故に備えた保険と緊急連絡体制、規約の公表と公正な会計、それから在籍校との情報共有。

細かいところでは、代表・副代表・会計・監事は原則として兼任できない、という一文があった。小さなクラブだと役員を揃えるだけで一苦労しそうだ。ただ、お金の流れを一人で握らせないという意味では、ちゃんと筋が通っている。

株式会社は運営できないのか

要件の中に「営利を主たる目的としない」という項目がある。読んだ瞬間、NPOや社団法人じゃないと駄目なのかと思った。

違った。実施主体が株式会社や個人事業主の場合は、収支計画書を出してもらって参加費や人件費の水準を確認し、営利が主目的ではないことを確かめる。そういう運用例が示されている。会社だから駄目、ではなく、中身を見て判断するということだ。

その一方で、クラブを束ねる運営団体は法人格を持つことが望ましい、とも書いてある。理由として、賠償責任保険の加入対象が法人になっていることが多いから、という実務寄りの話が添えてあったのは少し意外だった。

有効期間と、今年度の猶予

認定の有効期間は最長3年で、市区町村が決める。活動を始める前に条件付きで認める「仮認定」もできる。

とはいえ、いきなり全部の要件を満たすのは難しい。そこで経過措置がある。指導体制や運営体制については、市区町村が指導助言をすることで、原則2026年度末まで「認定を受けたものとみなす」ことができる。新しく取り組み始めた自治体が試しに実施する場合など、事情によっては2028年度末まで延ばせる。

今年度は、まさにこの猶予期間の真ん中にいることになる。

教える側にも登録制度

認定とセットで、「認定地域クラブ活動指導者」という登録制度もできた。

研修を受けること。自分が不適切な行為をしないのはもちろん、生徒同士のいじめや暴力も許さないと誓約すること。これを満たした人を市区町村が登録する。有効期間は最長4年。教員免許や競技団体の公認資格を持っている人は、研修の一部を免除することも考えられる、とされている。

ちなみに、認定を受けていない地域クラブが好きにしていいかというと、そうでもない。中学生を預かる以上、要件に準じた活動をすること、と釘が刺されている。

読み終えて思ったのは、この制度は「地域に任せる」ことと「質を守る」ことを、なんとか両立させようとしているんだな、ということだった。任せっぱなしにするのは簡単だし、ガチガチに縛るのも簡単。その間を取ろうとすると、たぶんこれくらい細かくなる。

次回は、もう少し現場寄りの話。高校入試や先生の兼職兼業など、保護者や先生から実際に聞かれそうなことを拾ってみる。

※本記事は、文部科学省「部活動改革及び地域クラブ活動の推進等に関する総合的なガイドライン」(令和7年12月)本文および別冊資料をもとに執筆しています。

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