【第3回】部活動の地域展開シリーズ(全4回)

部活をやめたら高校入試に響く? ガイドラインに書いてあった、現場の細かい話

会社として少し思うところがあって、しばらく部活動の地域展開について調べていた。実際に地域クラブの運営に携わっている知人から話を聞いたり、国のガイドラインや調査資料を読み込んだりしているうちに、いくつか興味深いことがわかってきた。一度に書くと長くなりすぎるので、何回かに分けて書いてみようと思う。
(全4回・今回は第3回)

今回は少し地味な所を。

ガイドラインを読んでいて付箋を貼りたくなったのが、制度の大枠よりもむしろ細かいルールの方。保護者や先生から実際に聞かれそうなものを、聞かれそうな順にメモ。

地域クラブでの活動は、高校入試でどう見られるのか

保護者がいちばん気にするのは、たぶんこれだと思う。

ガイドラインははっきり書いている。学校部活動と地域クラブ活動で、高校入試の扱いに差が出ないようにすること。さらに、部活動や地域クラブに参加していないこと、途中でやめたこと、別の活動に移ったこと。それだけを理由に不利に扱うのは適切ではない、とも。

調査書についても、大会の成績や活動歴だけを並べるのではなく、活動の中で見えた生徒の長所や意欲に触れるよう工夫するのが望ましいとしている。地域クラブが高校と直接やりとりすることは想定されておらず、情報は在籍している中学校を通す形になる。

評価の有無や方法は、入試の実施要領や各高校のホームページで分かりやすく示すように、とも書かれていた。実際の運用は都道府県ごとに決まっていく部分なので、ここは今後の動きを見ておきたい。

先生は地域クラブで教えてもいいのか

いい。むしろ認定地域クラブでの指導については、学校運営に支障がない限り、兼職兼業を「積極的に許可」するよう求めている。対象は中学校の先生だけではない。小学校の体育専科の先生、高校の先生、学校の事務職員まで入っている。

ただ、同じ段落に、本人が望んでいないのに参加を強いることがないよう十分に確認すること、とも書いてある。ここは大事だと思う。先生の負担を減らすための改革が、結局「休日も地域クラブで指導している先生」を生むだけなら意味がない。

もうひとつ、教師の採用や人事配置で、部活動指導の能力や実績を過度に評価しないように、という記述もあった。部活の指導に熱心な先生が評価されてきた文化を思うと、地味だけれどかなり大きな一文じゃないだろうか。

大会には出られるのか

出られる方向で整えていく、というのが国の方針だ。大会の参加資格を学校単位に限らず、地域クラブや合同チームも出られるようにする。所属している学校と地域クラブが別の市区町村、別の県にあっても参加できるよう配慮する。

平日の大会に地域クラブから出る場合でも、学校を出席扱いにできる。なるほど。

ただし、全国大会以外ではまだ規程の見直しが追いついていない大会もあって、地域クラブの生徒が出られないケースがある。これはガイドライン自身が認めている。

ほかにメモしておきたいこと

  • 活動時間は、学校部活動と地域クラブの両方に参加している場合も、合わせて週11時間程度まで
  • 2024年12月の学習指導要領解説の改訂で、部活動は法令上の義務ではないこと、全員が一律に入るものでもないことが明記された
  • 事故が起きたときの賠償の考え方は、運営主体によって変わる。市区町村が自ら運営するクラブなら国家賠償法の枠組み、それ以外の団体なら団体・指導者・生徒がそれぞれ民間の保険で備える、という整理

最後の事故の話は、保護者向けの説明会で必ず質問が出るところだと思う。誰が責任を持つのかを事前に決めておくことは、認定の要件にも入っている。

制度の大枠より、こういう細部の方が、実際に地域展開を進めるときには効いてくる気がする。説明する側がその場で答えられるかどうかで、保護者の受け止め方はだいぶ変わるはずだ。

次回は最後。お金の話を書く。

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